湖国の城をめぐる

第Ⅱ章 湖南編⑤ 秀次館

八幡山城の平時の居館、秀次館跡へ 八幡山ロープウェーを降り立った筆者らは、山麓の平時の居館跡、秀次館跡に向かった。筆者は山上の八幡山城には幾度か訪れたことがあるが、山麓の居館跡に訪れるのは初めてである。そのため、既に訪れたことのある女史に先…

第Ⅱ章 湖南編④ 八幡山城

豊臣秀次の城、八幡山城へ 2018年4月5日、前稿の古城山城をあとにした筆者らは時間が押してきたため、急ぎ八幡山城へと向かった。八幡山城山麓に到着した時には、すでに16時をすぎていた。八幡山ロープウェーで山上の城に向かうことにしたが、下り最終のロー…

第Ⅱ章 湖南編③ 古城山城

小堤城山城の尾根続きにある古城山城へ 前稿、小堤城山城の南東尾根の曲輪群から続く尾根道を歩いて、古城山へと向かった。途中、道は土橋状に細くなり堀切状の遺構が見えた。さらに進むとやがて城内への出入り口である虎口が見え、その傍らには説明版が設置…

第Ⅱ章 湖南編② 小堤城山城 後編

小堤城山城 写真位置 (踏査作図・福永清治氏 環境基本計画 自然山部会) 前稿写真位置⑦の曲輪から北東の支尾根に展開する曲輪へと向かうこととした。 写真位置⑧の堀切 前稿写真位置⑦との間は堀切で遮断されている。隣の西側の尾根も同様であり支尾根の曲輪が…

第Ⅱ章 湖南編② 小堤城山城 前編

織豊期以前の石垣が明瞭に残される小堤城山城へ 2018年4月5日、多喜山城に続いて野洲市小堤にある小堤城山城に訪れた。 観音寺城同様に織豊期以前の石垣が明瞭に残されている城として知られ、「第Ⅱ章 湖南編」のメインとして訪れたいと思っていた。林道終点…

第Ⅰ章 湖東編⑥ 宇佐山城

織豊系城郭の宇佐山城へ 2018年3月28日、瓶割山城へ訪れた筆者は次いで、滋賀県大津市の宇佐山城に向かった。本章は湖東編と題するが、宇佐山城は実際には湖西に位置する城である。 当城を本章に組み入れた理由は、当日訪城のラストでかつメインとして、すえ…

第Ⅰ章 湖東編⑤ 瓶割山城

瓶割柴田の伝説が残る瓶割山城へ 2018年3月28日、前稿の佐生城に続いて近江八幡市の瓶割山城に訪れた。 登城口のある山麓の日吉神社 城址は、別名・長光寺城と呼ばれ、山麓の日吉神社裏から遊歩道が続いている。 六角氏一族の抗争と瓶割山城 室町時代末、近…

第Ⅰ章 湖東編④ 佐生城

石垣が多用される観音寺城の支城 2018年3月28日、前稿の布施山城に続き、東近江市の佐生城に訪れた。 登城口は、観音寺城が位置する繖山の北方尾根続きにある北向岩屋十一面観音の駐車場先から遊歩道が続いている。 佐生城・概略図 六角氏の重臣・後藤氏 詳…

第Ⅰ章 湖東編③ 布施山城

六角氏有力被官・布施氏本家の城郭 前稿の井元城をあとにした筆者は、東近江市布施町にある布施山城へと向かった。 城主は六角氏被官で、布施氏の本貫地である蒲生郡布施を領する本家筋の布施三河守家である。永禄6年の観音寺騒動で三河守家は北近江の浅井氏…

第Ⅰ章 湖東編② 井元城

近年見つかった城郭遺構 前項の大森城に続いて訪れたのが、東近江市妹町に位置する井元城である。この城が発見されたのは1980年代と比較的新しい。それまでは伝承もなく、ここが城であるという認識は全くなかったという。 井元城 概略図 織豊系の技術を用い…

第Ⅰ章 湖東編① 大森城

湖東方面へ 湖国の城巡りで、まず最初にピックアップしたのは湖東方面である。近江守護の六角氏本拠である観音寺城に近く、その被官の城が多くみられるのが特徴である。その中でも最初に訪れたのが、六角氏被官の布施淡路守の城と伝えられる大森城である。近…

湖国の城をめぐる 序章

未訪の湖国の城を目指して 2018年3月末から4月末まで内の4日間、湖国滋賀の城巡りに行った。 筆者は近年、丹波を中心に京都・兵庫・岡山の城郭に訪れ、縄張り図の作成等を行う活動を行っている。滋賀県については、安土城をはじめ、特に有名な城郭や甲賀地方…