荒木城 中心部を歩く
本稿では、荒木城の中心部である本丸方向へと向かってみたいと思う。
本丸周辺の縄張りは、支尾根に展開する曲輪群とは一線を画して技巧的な縄張となっている。
二折れする坂虎口を採用しており、上位曲輪の⑪の塁線からは侵入者の側面を攻撃する横矢が掛る。同じく上位曲輪の⑩からは、この坂虎口⑨を通過する者を常に監視できるようになっている。
郭⑩である。当ブログ「整備された荒木城」で見られる2mにわたる堆積した伐採木等は除去され、曲輪内に入って山麓を見渡すことができる。また、この曲輪は本丸をはじめ、北、南に展開する曲輪群への分岐点にもなっている。
本丸との間は、低い切岸で区画されている。
荒木城の中心部である本丸⑫である。山頂に位置し、当城の曲輪では最も広い面積を有する。樹木が伐採され見渡しが良くなったが、曲輪内には直射日光があたり、灌木が繁茂する可能性がある。それを防ぐには定期的な整備、及び日陰を作ることができる一定の樹木を成長させる必要性が求められる。
本丸とは低い切岸と土塁で区画されている。西側にある枡形虎口からて下位の曲輪へと通路がつながる。
本丸⑫とは高い切岸で隔てられている。現在は切岸に付けられた道が本丸へとつながっている。日陰になる高い木が無く、本丸同様に定期的な整備が必要であろう。
高い木は伐採されず、適切な状態で遺構が保存されている。
次項では南東尾根の曲輪群へと向かってみたい。