細工所砦
山麓の案内板に従い登山口へ
本稿より、荒木城へと向かってみたい。
荒木城は篠山市の細工所集落の背後の山上に築かれている。
本丸は標高404mの位置にあり、集落からの比高差は170mを測る。
上写真は2013年に撮影したもので、細工所のハートピアセンターから見る荒木城である。
2013年当時は、荒木城という案内板はなく、当地の地名を冠した細工所城という名で親しまれていた。
現在は城主であった荒木氏に因んだ荒木城という名で山麓に案内板等が設置されている。なお『信長公記』や当時の文書には「荒木山城守館」と記される。
山麓の登山口である。案内板が設置され荒木城への登山口であることがわかりやすい。
織田方が築いたとされる細工所砦
登山口から登ること5分弱、やがて登山道は直進せず左に折れるように進む。
天正6年、織田方が荒木城を攻略した際に兵を置いたとされる細工所砦の枡形虎口跡である。
虎口より内部に入ると、広い平坦地が広がり、織田方が兵を駐屯させていたというのも頷けそうである。また、伝承では荒木氏の館跡であるともいわれる。
篠山市内における在地勢力の城郭には、山麓部及び山上部の二か所に城郭遺構を残すものが見られる。その形態の城郭は二段式詰城という概念で捉えられる。
細工所砦と荒木城の位置関係や細工所砦の縄張りも、それによく似た形態にも見える。
東端は、高さ5mを超える櫓台状の遺構がある。櫓台上には祠があり、平坦地から参拝の為とみられる道が付けられている。
櫓台の背後は堀切で遮断され、その先は荒木城へと繋がる尾根筋となる。細工所砦側の方が堀切底から高く登り難いため、細工所砦単体の防御の為に、築かれたと考えられよう。
この堀切のサイドから荒木城への登城道が繋がり、案内板が設置されている。
次稿から、荒木城本城へと向かってみたい。